愛染彼女3
- 2008/04/18
- 19:08
「そこまで驚かれたか。それはそれで意外ではある」
「あ、ご、ごめんね、そんなんじゃないよ鐘ちゃん。ちょっとびっくりしただけで」
「いや構わん」
馬鹿にされて怒ったと思ったらしい。由紀香は良い子だ。
「げーしんじらんねー!ホモ説まである衛宮だぜ!?何が良かったんだ一体!?」
此奴はやや人に対する物言いを考えた方がいい。まあ無理か。
「何が良かったのかは正直まだ分からん、それはこれから追々確認する」
「でも、なんで、その、『一目惚れ』なの?一緒のクラスになったのはかなり前なのに」
「ああ、一目惚れしたのは今朝のことだったからな」
「えーっと……?」
由紀香の困った顔は可愛らしいものだな、と関係ない感想が心に浮かぶ。
由紀香の言いたい事は分かる。
かなり前から知っている人物に対して一目惚れとはおかしな話だ。
しかし、アレは明らかに一目惚れだったのだ。
ここ近日、新都や冬木で起きた奇妙な事件。そして校内の事件、美綴嬢の事件。
そして今日、登校してきた衛宮は、
私の知っている――――――といってもそれほどよく知っている、と言うほどではなかったが――――――衛宮とは、別人だった。
表情が、透明過ぎた。
今思えば、そんな言葉で表現出来るだろうか。
悲しみ?
慈愛?
悟り?
そのようななにかが混ざり合って、「透明」になってしまった。
それはまるで光の三原色。
何故かは判らない。私の思い込みかもしれない。それでも私にはそう見えた。
そして同時に、
――――――そんな表情をさせては。
させていては、いけない。
衛宮は、以前の衛宮――――に、戻るべきだ。
そう思わされた。
それが、私の『一目惚れ』の正体だ。
「あ、ご、ごめんね、そんなんじゃないよ鐘ちゃん。ちょっとびっくりしただけで」
「いや構わん」
馬鹿にされて怒ったと思ったらしい。由紀香は良い子だ。
「げーしんじらんねー!ホモ説まである衛宮だぜ!?何が良かったんだ一体!?」
此奴はやや人に対する物言いを考えた方がいい。まあ無理か。
「何が良かったのかは正直まだ分からん、それはこれから追々確認する」
「でも、なんで、その、『一目惚れ』なの?一緒のクラスになったのはかなり前なのに」
「ああ、一目惚れしたのは今朝のことだったからな」
「えーっと……?」
由紀香の困った顔は可愛らしいものだな、と関係ない感想が心に浮かぶ。
由紀香の言いたい事は分かる。
かなり前から知っている人物に対して一目惚れとはおかしな話だ。
しかし、アレは明らかに一目惚れだったのだ。
ここ近日、新都や冬木で起きた奇妙な事件。そして校内の事件、美綴嬢の事件。
そして今日、登校してきた衛宮は、
私の知っている――――――といってもそれほどよく知っている、と言うほどではなかったが――――――衛宮とは、別人だった。
表情が、透明過ぎた。
今思えば、そんな言葉で表現出来るだろうか。
悲しみ?
慈愛?
悟り?
そのようななにかが混ざり合って、「透明」になってしまった。
それはまるで光の三原色。
何故かは判らない。私の思い込みかもしれない。それでも私にはそう見えた。
そして同時に、
――――――そんな表情をさせては。
させていては、いけない。
衛宮は、以前の衛宮――――に、戻るべきだ。
そう思わされた。
それが、私の『一目惚れ』の正体だ。