司馬日記45
- 2014/04/19
- 03:10
4月28日
蜀から王累という方が公達様を訪ねてこられた。その旨を公達様にお伝えすると笑顔を浮かべて迎えられ、久しぶりね新作はどうなどと談笑されながら会議室へと入って行かれた。
子丹御嬢様に、公達様に蜀の方で親しい方とは珍しいですねと申し上げると、士載の耳をふさぎながら「王累さん、蜀じゃ少ないそっち系の人だから…『吊りの王累、縛りの荀攸』ってその筋の人たちじゃ有名な方らしいわよ」と死んだ魚のような瞳で説明して下さった。
4月29日
緊急会議が召集された。議題は一刀様の御蔵書についてで、切欠は枕の下に隠されていたという官能小説の処置についてであった。
内容としては義理の妹二人との近親愛もので、第一発見者であった玲紗(関平)、藤香(劉封)は『一刀様の御性癖であるので許容すべき、寧ろ続編も揃えて御自室内の本棚に常備すべき』と妙なドヤ顔で主張した。
一方一刀様は「俺自身がそんなもん買ったりすれば足がつくだろ!?それにこんな分かり易いところに隠すとか無いって!」と無実を御主張され、またその小説の処分を希望された事もあり関羽殿が「あんまりふざけた事をするのではない」と窘めながら件の小説を窓から投げ捨てた。
すると姉妹はあー!と声を上げ、
「では義母様、一刀様の袖机の引き出しの裏に隠された黒髪巨乳陵辱ものなら良いとでも言うのですか、私たちのと何が違うんですか!」
「それは…ご主人様の趣味だから仕方ないだろう、なあ思春!?」
「わ、私は関係ないぞ」
「私と公奕(蒋欽)はそろそろ重みで天井が落ちるからこれ以上積み上げない方がいいと思春殿に言ったのです」
「明命貴様黙れ!!」
等と怒鳴りあいを始められてしまった為、詠様がはいはい静かにして、いい機会だからしょうもないもんは全部撤去することにするわねと言われ散会の流れとなった。しかしぼそりと
「って言いながら茶道具の引き出しに隠したメガネメイド物だけは残そうするズルっ子がいないといいですねー」
と張勲殿が呟かれると全員が一斉に詠様の方を振り向き、ややあって詠様が
「…本棚作るから、それぞれで推薦図書を各自一冊だけそこにしまって。厚みとか配置とかはあとで打ち合わせることにしましょ」
と言われ、今度こそ散会となった。
4月30日
縁側で文醜殿が一刀様に髪を梳かされていた。
一刀様曰く寝癖があったのでということであったが、文醜殿は居心地悪げでのようでもあり嬉しげでもあった。
5月1日
始業頃から許褚殿、文遠殿、李典殿らがものすごい頭をして
『ボクもボクも!』
『ウチからや!』
等と一刀様のお部屋で騒がれていた。
いやここまでのはちょっと無理だからお風呂行って来て、と一刀様が何事か断られると
せやったら一緒に風呂入ってもらわな、と言って一刀様を浴場の方へ連れて行かれた。
本日の午前中の会議は一刀様は御欠席なさった。
5月2日
会議にて文若様が
「…時間勿体無いから、髪整える時間削る分会議の開始時間早めて会議中にこいつに髪の事やらせない?」
と御発言された。すると会議の司会であった陸遜殿が
「只今の『私も一刀さんに髪を梳かして欲しくてたまらない梳かしてもらえないと死んじゃう』という御提案ですが皆様如何でしょうか」
と言われると文若様は満面朱にして否定されていたが、時間制で一刀様の隣席の者が髪を梳かして貰う事でどうかとなった。
一刀様が会議中にそれはちょっとどうかと疑義を呈されたほか曹操様と袁紹殿が最後まで反対されていたが、趙雲殿が
「主殿、カーラーを巻いた華琳殿と麗羽殿はみっともないでしょうかな?」
と一刀様に質問され、一刀様が御否定されてからは条件付で賛成なさった。
5月3日
会議の開始時刻になったが一向に出席予定者が集まらず、何があったのかと聞いてみると皆会議直前に風呂に行き大混雑している為だという。
会議中に一刀様に髪を梳かして貰うという件は弊害が大きいと言う理由で一日で沙汰止みとなった。
5月5日
部署毎に給与の支給日をずらすこととなった。
生協の一部の商品に購入希望が殺到する為らしい。
5月6日
月様と詠様、一刀様が会議室から出てこられたが珍しく月様が悄然とされていた。
後で詠様に御事情を伺ってみたところ、
「いやそのね…後宮も広くなったり別棟出来たり、ボクらが管理しなきゃいけない事も増えてて手が回りきらないから求人かけてたんだけど、最終面接でかなり月が落としちゃっててね…多少気に入らなくても目ェ瞑って採用してやらせないとねってボクと一刀で説得してたの」
との事だ。
一刀様に直接関わる重要な業務であるので厳選されたい月様のお気持ちも御尤もだが、確かに仕事が回らないことには始まらない。
5月8日
会議中で予算執行状況を稟様が報告されていたのを一刀様が突如遮って
「恋、具合悪くない?」
と言われた。私から見て呂布殿は平常と変わらず、本人も「…別に、平気」と言われたが、いや顔色悪いし辛そうだよちょっと詠診てあげてと一刀様が続けられ、詠様が怪訝な顔しながら呂布殿の額に手を当てられると「熱いわ!?ちょっと熱あるじゃないの恋、寝てなさいよ!」と言って呂布殿を連れて行かれた。
文醜殿が
「あたいには全然分かんなかったけどなあ…さすが仕事として女見てるアニキは違うよなぁ」
と妙な感心をされていた。
5月9日
改装された遊戯室に行ってみると、文若様、諸葛亮殿、詠様、周瑜殿が小さめの角卓を囲まれていた。これはなんでしょうかと伺ったところ、一刀様がこういったものがあるとお話されていた麻雀という遊戯を再現したもので明日がその大会だとのことであった。
囲棋(囲碁)は多少嗜むが遊びには疎く、こういったものがあるとはついぞ知らなかったが詠様が「あんた頭は切れるんだから出てみれば?それぞれの班で優勝すれば賞品もあることだし」と仰るので競技規則を読み、出てみる事とした。
5月10日
結論として麻雀大会では一回戦で敗退してしまった。
敗因は明確で、同卓左隣となった一刀様のお捨てになった牌を鳴く事に熱中し過ぎ悉く上がり目を失ってしまったためだ。対局後、元直に笑顔で
「仲達、あんたって本っっっっっっ当にバカなのねぇ…優勝すれば一刀様があんたの嶺上開花を一気通貫して清一色に染めてもらえるっていうのに」
と溜め息を吐かれてしまった。なお各班の優勝者はそれぞれ孫策様、呂布殿、袁紹殿、張勲殿であったが、袁紹殿は「毎回毎回、初めっから全て揃ってしまっていてはつまりませんわ!」
と不満げであった。詠様は
「麗羽と雪蓮、恋は次回から出場禁止よ、あいつら居ると違う遊びになっちゃうじゃない!」とぷりぷり怒られていらっしゃったが、では張勲殿は宜しいのでしょうかと伺うと、しばし黙考されたのち
「…七乃は倒す。人の心を操る遊びであの女だけには負けられないわ」
と据わった目で答えられた。張勲殿だけは他の三方と違って特別らしい。
蜀から王累という方が公達様を訪ねてこられた。その旨を公達様にお伝えすると笑顔を浮かべて迎えられ、久しぶりね新作はどうなどと談笑されながら会議室へと入って行かれた。
子丹御嬢様に、公達様に蜀の方で親しい方とは珍しいですねと申し上げると、士載の耳をふさぎながら「王累さん、蜀じゃ少ないそっち系の人だから…『吊りの王累、縛りの荀攸』ってその筋の人たちじゃ有名な方らしいわよ」と死んだ魚のような瞳で説明して下さった。
4月29日
緊急会議が召集された。議題は一刀様の御蔵書についてで、切欠は枕の下に隠されていたという官能小説の処置についてであった。
内容としては義理の妹二人との近親愛もので、第一発見者であった玲紗(関平)、藤香(劉封)は『一刀様の御性癖であるので許容すべき、寧ろ続編も揃えて御自室内の本棚に常備すべき』と妙なドヤ顔で主張した。
一方一刀様は「俺自身がそんなもん買ったりすれば足がつくだろ!?それにこんな分かり易いところに隠すとか無いって!」と無実を御主張され、またその小説の処分を希望された事もあり関羽殿が「あんまりふざけた事をするのではない」と窘めながら件の小説を窓から投げ捨てた。
すると姉妹はあー!と声を上げ、
「では義母様、一刀様の袖机の引き出しの裏に隠された黒髪巨乳陵辱ものなら良いとでも言うのですか、私たちのと何が違うんですか!」
「それは…ご主人様の趣味だから仕方ないだろう、なあ思春!?」
「わ、私は関係ないぞ」
「私と公奕(蒋欽)はそろそろ重みで天井が落ちるからこれ以上積み上げない方がいいと思春殿に言ったのです」
「明命貴様黙れ!!」
等と怒鳴りあいを始められてしまった為、詠様がはいはい静かにして、いい機会だからしょうもないもんは全部撤去することにするわねと言われ散会の流れとなった。しかしぼそりと
「って言いながら茶道具の引き出しに隠したメガネメイド物だけは残そうするズルっ子がいないといいですねー」
と張勲殿が呟かれると全員が一斉に詠様の方を振り向き、ややあって詠様が
「…本棚作るから、それぞれで推薦図書を各自一冊だけそこにしまって。厚みとか配置とかはあとで打ち合わせることにしましょ」
と言われ、今度こそ散会となった。
4月30日
縁側で文醜殿が一刀様に髪を梳かされていた。
一刀様曰く寝癖があったのでということであったが、文醜殿は居心地悪げでのようでもあり嬉しげでもあった。
5月1日
始業頃から許褚殿、文遠殿、李典殿らがものすごい頭をして
『ボクもボクも!』
『ウチからや!』
等と一刀様のお部屋で騒がれていた。
いやここまでのはちょっと無理だからお風呂行って来て、と一刀様が何事か断られると
せやったら一緒に風呂入ってもらわな、と言って一刀様を浴場の方へ連れて行かれた。
本日の午前中の会議は一刀様は御欠席なさった。
5月2日
会議にて文若様が
「…時間勿体無いから、髪整える時間削る分会議の開始時間早めて会議中にこいつに髪の事やらせない?」
と御発言された。すると会議の司会であった陸遜殿が
「只今の『私も一刀さんに髪を梳かして欲しくてたまらない梳かしてもらえないと死んじゃう』という御提案ですが皆様如何でしょうか」
と言われると文若様は満面朱にして否定されていたが、時間制で一刀様の隣席の者が髪を梳かして貰う事でどうかとなった。
一刀様が会議中にそれはちょっとどうかと疑義を呈されたほか曹操様と袁紹殿が最後まで反対されていたが、趙雲殿が
「主殿、カーラーを巻いた華琳殿と麗羽殿はみっともないでしょうかな?」
と一刀様に質問され、一刀様が御否定されてからは条件付で賛成なさった。
5月3日
会議の開始時刻になったが一向に出席予定者が集まらず、何があったのかと聞いてみると皆会議直前に風呂に行き大混雑している為だという。
会議中に一刀様に髪を梳かして貰うという件は弊害が大きいと言う理由で一日で沙汰止みとなった。
5月5日
部署毎に給与の支給日をずらすこととなった。
生協の一部の商品に購入希望が殺到する為らしい。
5月6日
月様と詠様、一刀様が会議室から出てこられたが珍しく月様が悄然とされていた。
後で詠様に御事情を伺ってみたところ、
「いやそのね…後宮も広くなったり別棟出来たり、ボクらが管理しなきゃいけない事も増えてて手が回りきらないから求人かけてたんだけど、最終面接でかなり月が落としちゃっててね…多少気に入らなくても目ェ瞑って採用してやらせないとねってボクと一刀で説得してたの」
との事だ。
一刀様に直接関わる重要な業務であるので厳選されたい月様のお気持ちも御尤もだが、確かに仕事が回らないことには始まらない。
5月8日
会議中で予算執行状況を稟様が報告されていたのを一刀様が突如遮って
「恋、具合悪くない?」
と言われた。私から見て呂布殿は平常と変わらず、本人も「…別に、平気」と言われたが、いや顔色悪いし辛そうだよちょっと詠診てあげてと一刀様が続けられ、詠様が怪訝な顔しながら呂布殿の額に手を当てられると「熱いわ!?ちょっと熱あるじゃないの恋、寝てなさいよ!」と言って呂布殿を連れて行かれた。
文醜殿が
「あたいには全然分かんなかったけどなあ…さすが仕事として女見てるアニキは違うよなぁ」
と妙な感心をされていた。
5月9日
改装された遊戯室に行ってみると、文若様、諸葛亮殿、詠様、周瑜殿が小さめの角卓を囲まれていた。これはなんでしょうかと伺ったところ、一刀様がこういったものがあるとお話されていた麻雀という遊戯を再現したもので明日がその大会だとのことであった。
囲棋(囲碁)は多少嗜むが遊びには疎く、こういったものがあるとはついぞ知らなかったが詠様が「あんた頭は切れるんだから出てみれば?それぞれの班で優勝すれば賞品もあることだし」と仰るので競技規則を読み、出てみる事とした。
5月10日
結論として麻雀大会では一回戦で敗退してしまった。
敗因は明確で、同卓左隣となった一刀様のお捨てになった牌を鳴く事に熱中し過ぎ悉く上がり目を失ってしまったためだ。対局後、元直に笑顔で
「仲達、あんたって本っっっっっっ当にバカなのねぇ…優勝すれば一刀様があんたの嶺上開花を一気通貫して清一色に染めてもらえるっていうのに」
と溜め息を吐かれてしまった。なお各班の優勝者はそれぞれ孫策様、呂布殿、袁紹殿、張勲殿であったが、袁紹殿は「毎回毎回、初めっから全て揃ってしまっていてはつまりませんわ!」
と不満げであった。詠様は
「麗羽と雪蓮、恋は次回から出場禁止よ、あいつら居ると違う遊びになっちゃうじゃない!」とぷりぷり怒られていらっしゃったが、では張勲殿は宜しいのでしょうかと伺うと、しばし黙考されたのち
「…七乃は倒す。人の心を操る遊びであの女だけには負けられないわ」
と据わった目で答えられた。張勲殿だけは他の三方と違って特別らしい。