ブラインド・デート再び!06
- 2008/03/30
- 19:14
百貨店の中を暫く回ってみたものの、結局思うようなものが見つからない。
既に2時を回っている。
(ハラ減ってきたな)
きゅるる~。
思うと同時に鳴る横島のハラ。こーゆー面では切実にガケッぷちで生きている為、体は正直だ。
「あのさ、そろそろメシに・・・(!そーだ・・・)、美味いレストラン知ってるから行かない?」
「あ、はい」
横島が誘い、ユリ子はついて行った。百貨店を出て、事務所の近所へと戻ってゆく。
着いた店はやっぱり『魔法料理 MARIN』であった。
「あ、私ここにおキヌちゃんと来たことありますよ。美味しいですよね!」
ユリ子が嬉しそうに話すと、
「ああ!そりゃーもー三つ編みに目の下のホクロとほんとーにおいしそーな・・・」
「「何が美味しそうなんですか?」」
ぐぐっとコブシを握りしめてしまう横島の後ろで魔鈴がにっこり笑っていた。
ユリ子もなんだか日頃と違うオーラを出しながらにっこり笑っていた。
「あれっ?」
横島のオードブルに竹ボウキのタタキがサービスされたのは余談である。
極上の料理を楽しむ二人。しかし楽しみ方は人それぞれなのは致し方の無い事ではある。
「こら美味いっ!こら美味い!」
がつがつがつがつっ!
常時せっぱ詰まっている横島は貧乏神のようにがっつき平らげてゆく。
ムードもへったくれもあったものではない。
「よ、横島さん、美味しいけどあんまり慌てて食べると・・・」
「むっ!?むむっ!?」
「い、いえ・・・」
回りから(テレビチャ○ピオンかしら?ヒソヒソ・・・)と聞こえる声がユリ子にはちょっぴり痛かった。
「食った食った。ごっそーさん」
ぷはー、と息を吐きながら横島が満足そうな表情で手を合わす。
「美味しかったですね!」
「あー、絶品だね」
ユリ子の言葉に横島が頷くと、ほんのわずかユリ子の表情に影が差す。
「こんな美味しい料理を食べちゃったら、もう他の料理なんて食べられなくなっちゃいますね・・・」
ユリ子は微笑むが、その鈴の音色は少し低かった。
「あ、いや俺普段はカップラーメンとかだから。事務所行くとおキヌちゃんがうまいメシ作ってくれるからそれで何も不満無いね」
横島は返事になってるのかなってないのか解らないような返事をしながら、席を立とうとした。
「・・・そうですね・・・あ、そうなんですか!!」
一つ大きな息を吐いて、ユリ子も立ち上がった。
貧困な横島ではあったが元々良心価格の魔鈴の店で、更に西条の友人(?)ということで更に割り引いてもらっていたので支払いに困る事はなかった。
会計に合わせて、ユリ子は薬草や小ビンの調味料を何種か買っていった。
「?それ・・・」
店を出て、並んで歩く横島が覗き込む。
「これも彼女にあげるんです。彼女、料理もやりますから・・・」
ユリ子の表情は明るかった。前を向いたまま続ける。
「おいしいって食べてくれる人・・・たちがいて、つくり甲斐があるんだそうです」
「ん、そっか。そ、そりゃ良かった。・・・ところでそろそろ買い物はいいかな?」
横島が向き直って立ち止まる。事務所の近所だ。
「あ!はっ、はい!」
弾かれたようにびくっとして答えるユリ子。
(あああ、聞きそびれちゃった!・・・でも・・・いいか。きっと怒られちゃうけど)
「じゃ、これで・・・おキヌちゃんによろしく伝」
「あ、ちっと待って。ちょっと着いて来て欲しい所があるんだけど」
既に2時を回っている。
(ハラ減ってきたな)
きゅるる~。
思うと同時に鳴る横島のハラ。こーゆー面では切実にガケッぷちで生きている為、体は正直だ。
「あのさ、そろそろメシに・・・(!そーだ・・・)、美味いレストラン知ってるから行かない?」
「あ、はい」
横島が誘い、ユリ子はついて行った。百貨店を出て、事務所の近所へと戻ってゆく。
着いた店はやっぱり『魔法料理 MARIN』であった。
「あ、私ここにおキヌちゃんと来たことありますよ。美味しいですよね!」
ユリ子が嬉しそうに話すと、
「ああ!そりゃーもー三つ編みに目の下のホクロとほんとーにおいしそーな・・・」
「「何が美味しそうなんですか?」」
ぐぐっとコブシを握りしめてしまう横島の後ろで魔鈴がにっこり笑っていた。
ユリ子もなんだか日頃と違うオーラを出しながらにっこり笑っていた。
「あれっ?」
横島のオードブルに竹ボウキのタタキがサービスされたのは余談である。
極上の料理を楽しむ二人。しかし楽しみ方は人それぞれなのは致し方の無い事ではある。
「こら美味いっ!こら美味い!」
がつがつがつがつっ!
常時せっぱ詰まっている横島は貧乏神のようにがっつき平らげてゆく。
ムードもへったくれもあったものではない。
「よ、横島さん、美味しいけどあんまり慌てて食べると・・・」
「むっ!?むむっ!?」
「い、いえ・・・」
回りから(テレビチャ○ピオンかしら?ヒソヒソ・・・)と聞こえる声がユリ子にはちょっぴり痛かった。
「食った食った。ごっそーさん」
ぷはー、と息を吐きながら横島が満足そうな表情で手を合わす。
「美味しかったですね!」
「あー、絶品だね」
ユリ子の言葉に横島が頷くと、ほんのわずかユリ子の表情に影が差す。
「こんな美味しい料理を食べちゃったら、もう他の料理なんて食べられなくなっちゃいますね・・・」
ユリ子は微笑むが、その鈴の音色は少し低かった。
「あ、いや俺普段はカップラーメンとかだから。事務所行くとおキヌちゃんがうまいメシ作ってくれるからそれで何も不満無いね」
横島は返事になってるのかなってないのか解らないような返事をしながら、席を立とうとした。
「・・・そうですね・・・あ、そうなんですか!!」
一つ大きな息を吐いて、ユリ子も立ち上がった。
貧困な横島ではあったが元々良心価格の魔鈴の店で、更に西条の友人(?)ということで更に割り引いてもらっていたので支払いに困る事はなかった。
会計に合わせて、ユリ子は薬草や小ビンの調味料を何種か買っていった。
「?それ・・・」
店を出て、並んで歩く横島が覗き込む。
「これも彼女にあげるんです。彼女、料理もやりますから・・・」
ユリ子の表情は明るかった。前を向いたまま続ける。
「おいしいって食べてくれる人・・・たちがいて、つくり甲斐があるんだそうです」
「ん、そっか。そ、そりゃ良かった。・・・ところでそろそろ買い物はいいかな?」
横島が向き直って立ち止まる。事務所の近所だ。
「あ!はっ、はい!」
弾かれたようにびくっとして答えるユリ子。
(あああ、聞きそびれちゃった!・・・でも・・・いいか。きっと怒られちゃうけど)
「じゃ、これで・・・おキヌちゃんによろしく伝」
「あ、ちっと待って。ちょっと着いて来て欲しい所があるんだけど」