ブラインド・デート再び!03
- 2008/03/30
- 18:40
「あ、こんにちは、ユリ子です。おキヌちゃんいらっしゃいますか?」
おキヌちゃんがおキヌちゃんを呼んでいる。横島は一瞬そんな錯覚を感じたがすぐに聞き返した。
「あれ?おキヌちゃんと出かけたんじゃないの?」
「えっ?迎えに行くからって手紙に書いたのに」
小首をかしげるユリ子。
「おキヌちゃん、ユリ子ちゃんと買い物だって出かけてったぜ」
「手紙を見てないのかもしれませんね・・・あ、ホントだ未開封ですね」
すぐ脇のポストに手紙が入っているのをユリ子が見つけた。
プルルルル。
電話が鳴る。
「わりい、ちっと待ってね」
ユリ子に告げ電話に出に戻る。
ちなみに美神の方が電話に近い所にいたがあまり関係がない。
ついでにおキヌと美神しかいないときは美神も電話をとる事もあるが更に関係ない。
「はい美神除霊事務所ですが・・・あ、おキヌちゃんか。・・・うん、来てるけど」
ほどなくして玄関。
「ユリ子ちゃん?おキヌちゃんが代わってくれってさ」
「あ、はい」
「おキヌちゃん?・・・そうそう・・・えー!そんなとこなの?・・・
じゃあ・・・それぞれ選んで・・・また今度会ったときに・・・うん、じゃね」
カチャ。
受話器を置くと、ユリ子は小さなタメ息をついた。ように横島には見えた。
「おキヌちゃんとは今日は会えなくなっちゃいました。ホントはお互いの進級祝いのプレゼントを選ぶはずだったんですけど・・・」
「へー」
このコたち律儀やなぁ、と人事のように感心した。しかしおキヌちゃんも戻ってきて一年経つ。なんかお祝いくらいいいかもしれない、強欲女もちょっとは出してくれるだろうとか考えてるとこへユリ子が続けた。
「で、あの、横島さん、」
「へ?」
「一緒にその、プレゼント選んでもらえませんかっ?あの、横島さんならおキヌちゃんとお、お付き合い長いでしょうし好みとか詳しいですよねっ!」
一気にまくし立て方がなんだか変だ、この娘。けど、まあ。
「え・・・ああ、別にいいけど」
意外にもすんなり二人で出かけることになった。
(こんなケダモノと出かけるなんて妊娠しても知らないわよ)
と、言おうとしてふと止めた。美神は横島の性質を読みきっていた。
「ま、ユリ子ちゃんなら」
この手の娘には彼は手を出さない。
『確かにかわいーよなーおキヌちゃんもこのコも・・・んだけどなぜかいつものチョーシが出ないとゆーか、ここでセクハラしてもーたらホントに人でなしになってしまいそうでっちゅーか、なぜかそーゆー気にならんのだよなー。かわいーし体もあるとゆーのに』
ってのが関の山だろう。
「いいわよ、今日は通常業務はやる気ないし。行ってらっしゃい」
「そーっスか。じゃ、行ってきます」
と、二人は事務所のドアを開け、出て行こうとした。
パタン、と扉が閉まる瞬間、美神はかすかな違和感を感じた。
(あれ?今一瞬・・・)
書類の山から首だけ出し、玄関を見つめる。
「気のせいか。まぁそんなことより辻褄合わせ辻褄合わせっ!!」
納税額の増減に比べれば大事の前の些事であり、完全犯罪に一日いそしむのだった。
おキヌちゃんがおキヌちゃんを呼んでいる。横島は一瞬そんな錯覚を感じたがすぐに聞き返した。
「あれ?おキヌちゃんと出かけたんじゃないの?」
「えっ?迎えに行くからって手紙に書いたのに」
小首をかしげるユリ子。
「おキヌちゃん、ユリ子ちゃんと買い物だって出かけてったぜ」
「手紙を見てないのかもしれませんね・・・あ、ホントだ未開封ですね」
すぐ脇のポストに手紙が入っているのをユリ子が見つけた。
プルルルル。
電話が鳴る。
「わりい、ちっと待ってね」
ユリ子に告げ電話に出に戻る。
ちなみに美神の方が電話に近い所にいたがあまり関係がない。
ついでにおキヌと美神しかいないときは美神も電話をとる事もあるが更に関係ない。
「はい美神除霊事務所ですが・・・あ、おキヌちゃんか。・・・うん、来てるけど」
ほどなくして玄関。
「ユリ子ちゃん?おキヌちゃんが代わってくれってさ」
「あ、はい」
「おキヌちゃん?・・・そうそう・・・えー!そんなとこなの?・・・
じゃあ・・・それぞれ選んで・・・また今度会ったときに・・・うん、じゃね」
カチャ。
受話器を置くと、ユリ子は小さなタメ息をついた。ように横島には見えた。
「おキヌちゃんとは今日は会えなくなっちゃいました。ホントはお互いの進級祝いのプレゼントを選ぶはずだったんですけど・・・」
「へー」
このコたち律儀やなぁ、と人事のように感心した。しかしおキヌちゃんも戻ってきて一年経つ。なんかお祝いくらいいいかもしれない、強欲女もちょっとは出してくれるだろうとか考えてるとこへユリ子が続けた。
「で、あの、横島さん、」
「へ?」
「一緒にその、プレゼント選んでもらえませんかっ?あの、横島さんならおキヌちゃんとお、お付き合い長いでしょうし好みとか詳しいですよねっ!」
一気にまくし立て方がなんだか変だ、この娘。けど、まあ。
「え・・・ああ、別にいいけど」
意外にもすんなり二人で出かけることになった。
(こんなケダモノと出かけるなんて妊娠しても知らないわよ)
と、言おうとしてふと止めた。美神は横島の性質を読みきっていた。
「ま、ユリ子ちゃんなら」
この手の娘には彼は手を出さない。
『確かにかわいーよなーおキヌちゃんもこのコも・・・んだけどなぜかいつものチョーシが出ないとゆーか、ここでセクハラしてもーたらホントに人でなしになってしまいそうでっちゅーか、なぜかそーゆー気にならんのだよなー。かわいーし体もあるとゆーのに』
ってのが関の山だろう。
「いいわよ、今日は通常業務はやる気ないし。行ってらっしゃい」
「そーっスか。じゃ、行ってきます」
と、二人は事務所のドアを開け、出て行こうとした。
パタン、と扉が閉まる瞬間、美神はかすかな違和感を感じた。
(あれ?今一瞬・・・)
書類の山から首だけ出し、玄関を見つめる。
「気のせいか。まぁそんなことより辻褄合わせ辻褄合わせっ!!」
納税額の増減に比べれば大事の前の些事であり、完全犯罪に一日いそしむのだった。