「士季」
「はーい何ですか、仲達様」
「お前が預かってきた諸葛亮様からの御歳暮なのだが」
「はあ。それが?」
「中身は品の良いめいど服と高価そうな化粧品で、また添え文が妙に丁寧な…なんと言うか、下手に出られた文面なのだ。元直とは兎も角、諸葛亮様とはそこまで御懇意にさせて頂いてはいないと思っていたのだが…お前は諸葛亮様の弟子の姜維と仲が良かっただろう、何か聞いていないか?」
「……いいえ?ま、有難く頂いといて、御歳暮返ししとけばいいんじゃないですか?私の方で選んで仲達様の名前で送っときますよ、姜維と諸葛亮様の師弟で御揃いのブラとかどうです?」
「ああ良さそうだな。選定も予算も委細任せる」
「はあーい(この人、底無しの馬鹿だなぁ…そこが可愛いんですけどねぇ)」
------
「御師匠様、士季から仲達様の御歳暮のお返しを預かりました!」
「そ、そうでしゅか…(も、もう許してもらえた…かな)」
「はい。あら、内箱に『諸葛亮様、姜維様宛て』って書かれています」
「あ、じゃあきっと藍ちゃんの分も入ってるんだね、開けちゃってくれるかな」
「はい!」
------
諸葛亮様、姜維様
いつも大変お世話になっております。
先般は素晴らしい贈り物を賜りまして誠に有難う御座います。
つまらぬものでは御座いますが、心ばかりのお礼として御師弟様に揃いの下着を御贈りさせて頂きますので、どうかお収め下さいますようお願い致します。
一刀様がこれを着けた御二方を見てお似合いとお褒め下さる事を願っております。
追伸
世には『富める者』が増える一方で『驚異の格差社会』の到来も否定し難いところでは御座いますが、お心を強く持ち、昼は蜀の柱石として御政務に励まれ、夜は余計な事を考えずにゆっくりと身体を休め、御健康を保たれますようお祈り申し上げます。
司馬懿 仲達
------
「あ、御師匠様、内側に名前の刺繍が入っていますよ。という事はこっちが私のですね。ではちょっと当てるだけ当ててみましょう…あ…あら?…これは、私にはちょっとと言いますか大分小さいみたいですね。御師匠様の方はどうですか?…あら、これは私にちょうど合いそうな大きさみたいですけれど…御師匠様?御師匠様っ!?だ、誰かーっ!御師匠様が白目剥いて泡吹いちゃってますーっ!?」