ブラインド・デート再び!02
- 2008/03/30
- 18:39
よく晴れた日曜日の朝。高校生なりにおめかししたおキヌが出かけていく。
「じゃ、美神さん行ってきますね」
「行ってらっしゃい。あまり遅くならないようにね」
ソファで新聞から目を離さずに美神が答える。と、事務所の二階から横島が降りてくる。
「あれ?おキヌちゃんどっかお出かけっスか?」
「あー、ユリ子ちゃんと買い物だってさ」
「ユリ子ちゃん?・・・あー、あの体があるおキヌちゃんか」
「今はおキヌちゃんも生きてるでしょーが。書類の片付けは終わったのっ!?」
この時期、そろそろ確定申告の為方々書類を引っ張り出していたのだ。たいてい事務方はおキヌの仕事であったが、分厚いファイルの片付けは丁稚にやらそうということになったのだ。例によって自分でやる気はさらさら無い。
「あ、大体の分類は・・・」
「そう。じゃ、背表紙つけてしまっといて」
「へーい」
今更だが横島が素直に仕事をすることは稀である。彼にとって妄想はほぼ呼吸と同様に自然な事だったりする。
(ふっふっふ。こいつはチャンス・・・!
あの強欲女は間違いなく脱税しとる!その証拠がこの書類棚のどこかに必ずある!!そいつを見つければ!!!)
『美神さん。この帳簿はなんですか?』
『うっ!それは・・・!』
『心苦しいですが、一般善良市民として犯罪は見過ごせません。警察へ行きましょう、美神さん』
『待って!横島クン!黙っててくれたらなんでもしてあげるわ!!』
『なんでもっ!?なんでもっスかー!!?ってことはあんなこともこんなこともオールオッケーっスね!!!?』
「うわははは!」
(なぜ書類をあさるのか!?そこに裏帳簿と俺の未来があるからやー!!!!)
その瞬間。ガンッ、と自身の後頭部から鈍い音がした、かもしれない。
倒れた後頭部にめり込む神通鞭。そして踏みつける女王様のおみあし。
「丁稚のクセに下克上かまそーとはいい度胸ねっ!」
「しまった・・・また声に出してしまった・・・」
美神の辞書に基本的人権の尊重という言葉が無いように、横島の辞書にも懲りると言う文字はやはり無かった。
「いいわ、もうあとは私がやるからどっかいってらっしゃい!!ったく毎年毎年めんどくさいわねこの時期は・・・税金なんて他の人からとってくれりゃいーのに・・・」
無茶にも程がある愚痴を言いながら美神は書類を開き、横島は部屋から追い出されたところで玄関の呼び鈴が鳴っていることに気がついた。
「美神さーん。お客さんみたいっスけどー?」
「横島クン出といてー!仕事とMHKだったら断っといて」
机の上に積みあがった書類で、既に美神の姿は見えない。
へーい。玄関へ向かいながら答える横島。
「はい、どちら様っスかー?」
ぎいっ。扉を開けると珍しい人物が立っていた。
「じゃ、美神さん行ってきますね」
「行ってらっしゃい。あまり遅くならないようにね」
ソファで新聞から目を離さずに美神が答える。と、事務所の二階から横島が降りてくる。
「あれ?おキヌちゃんどっかお出かけっスか?」
「あー、ユリ子ちゃんと買い物だってさ」
「ユリ子ちゃん?・・・あー、あの体があるおキヌちゃんか」
「今はおキヌちゃんも生きてるでしょーが。書類の片付けは終わったのっ!?」
この時期、そろそろ確定申告の為方々書類を引っ張り出していたのだ。たいてい事務方はおキヌの仕事であったが、分厚いファイルの片付けは丁稚にやらそうということになったのだ。例によって自分でやる気はさらさら無い。
「あ、大体の分類は・・・」
「そう。じゃ、背表紙つけてしまっといて」
「へーい」
今更だが横島が素直に仕事をすることは稀である。彼にとって妄想はほぼ呼吸と同様に自然な事だったりする。
(ふっふっふ。こいつはチャンス・・・!
あの強欲女は間違いなく脱税しとる!その証拠がこの書類棚のどこかに必ずある!!そいつを見つければ!!!)
『美神さん。この帳簿はなんですか?』
『うっ!それは・・・!』
『心苦しいですが、一般善良市民として犯罪は見過ごせません。警察へ行きましょう、美神さん』
『待って!横島クン!黙っててくれたらなんでもしてあげるわ!!』
『なんでもっ!?なんでもっスかー!!?ってことはあんなこともこんなこともオールオッケーっスね!!!?』
「うわははは!」
(なぜ書類をあさるのか!?そこに裏帳簿と俺の未来があるからやー!!!!)
その瞬間。ガンッ、と自身の後頭部から鈍い音がした、かもしれない。
倒れた後頭部にめり込む神通鞭。そして踏みつける女王様のおみあし。
「丁稚のクセに下克上かまそーとはいい度胸ねっ!」
「しまった・・・また声に出してしまった・・・」
美神の辞書に基本的人権の尊重という言葉が無いように、横島の辞書にも懲りると言う文字はやはり無かった。
「いいわ、もうあとは私がやるからどっかいってらっしゃい!!ったく毎年毎年めんどくさいわねこの時期は・・・税金なんて他の人からとってくれりゃいーのに・・・」
無茶にも程がある愚痴を言いながら美神は書類を開き、横島は部屋から追い出されたところで玄関の呼び鈴が鳴っていることに気がついた。
「美神さーん。お客さんみたいっスけどー?」
「横島クン出といてー!仕事とMHKだったら断っといて」
机の上に積みあがった書類で、既に美神の姿は見えない。
へーい。玄関へ向かいながら答える横島。
「はい、どちら様っスかー?」
ぎいっ。扉を開けると珍しい人物が立っていた。