「じゃあ、・・・氷室の下ぎとか、なんて」
言った。
ちょっと噛んだけど言い切った。っつーか言っちゃった。
いや別にホントに見たいわけじゃなくて!
ちょっと位反撃したいって言うかたまには困る氷室が見たいんであって!
万が一さらっと見せられちゃうような不幸な事故なんて期待してないんだってばさ!
だって正直氷室にはここまで舐められっぱなし(主に唇を)だろ?
たまには男は強気に出なくてはいかんとかちょっとはねえ、日本男児的に。
「―――――ほう?」
・・・あああでもドン引き?
『ゴメン冗談です』の準備はOKだから早く何とか言って下さい氷室サン。
俺、弱。
「―――――残念だがそれは出来ないな」
「そっか、それは残念だなぁ、って冗だ」
んだから、と言おうとしたんだけど。
「何故だか知りたくないか?」
「――――へ?」
氷室がゆっくりと二歩、こちらへと歩いてくる。
「何故だか、知りたくはないのか?」
「いや、」
だってそれが普通だろ。ってなんだかまた追い詰められてないか?
何故かって、そりゃ普通に恥じらいがあれば普通見せないものであって、
――――― 違 う 。
氷室が恥じらいが無いとかではなく。
氷室だったらやりかねない、ま さ か の可能性。
―――――――嘘だろ・・・?
知らず、顔が引き攣っていく。
「本来私としては吝かでない。むしろ粗末なものではあるが見たいと言って貰えるのならば望むところでもあるのだが」
「うわ、あ」
追い詰められて、床にへたりこむ。
―――――さっきと、同じ体勢。背中の階段が腰高のロッカーに変わっただけ。
「残念ながら、見せられないのだ」
きしり。
氷室は俺の顔のすぐ脇の低段ロッカーに片足を掛けると、長めのスカートがまくれ上がって白い太腿があらわになる。
ぎりぎりでその付け根はスカートに隠され、後ほんの少しそれを持ち上げるだけで『何故見せられないのか』が分かってしまう。
「知りたい、だろう?」
氷室は高く上がった膝に肘を乗せ、その手で頬杖をつく。
逆の手で、今度こそそのスカートを摘んで。
にやり、と微笑んだ。
俺は
A.無意識のうちに、小さく頷いた。
B.『ゴメン俺が悪かった!結構です!』と叫んでぎゅっと眼を閉じた。
(えっ?続きませんよ?小ネタだって言ったじゃないですか)