思いのたけを、全力で肘へ(KANON)index
- 2008/03/29
- 23:45
これまた佐祐理さん香里美汐。まじめっ子美汐に無敵の佐祐理さん。思いのたけを、全力で肘へ01思いのたけを、全力で肘へ02思いのたけを、全力で肘へ03思いのたけを、全力で肘へ04...
思いのたけを、全力で肘へ04
- 2008/03/29
- 23:39
「『そんな心配よりも、強烈な想いを持つ彼女達を押しのけて、どうやったら祐一さんの心を射止められるかを考えていた方が建設的ですよ?』」「…は?」軽い既視感―――――そうか、さっき全く同じ言葉を倉田先輩が言っていたからか。これだけだったら、なんてことのない話。同じ言葉を繰り返しただけ。なのに心が総毛立つ。だって私達は知っている。この人は無意味にそんな事を言わない。しかも絶対にこれはアドバイスでない。たとえる...
思いのたけを、全力で肘へ03
- 2008/03/29
- 23:36
「………あ、美坂ですけれど…あ、はい、こんにちは。今お電話大丈夫ですか?……はい、あのですね今天野さんとお茶してるんですけど、宜しかったら先輩も如何かなって思いまして。……ええ、百花屋です、是非。……はい、それでは失礼します」にこやかにお電話を済ませて美坂先輩がパタンと携帯を閉じる。人ってどうして電話で顔が見えなくても表情を出したり頭を下げたりするんだろう、とつまらない事を考えた。「倉田先輩ですね?」判って...
思いのたけを、全力で肘へ02
- 2008/03/29
- 23:25
「……どういう意味かしらね。もう少し詳しく説明してくれる?」「…………簡単に言ってしまいますと。…例えば、水瀬先輩」ゆっくりと、彼女は語り始めた。「名雪?」こくり、と小さく彼女は頷いて、テーブルに視線を落とした。「水瀬先輩は、7年間。相沢さんの事を待ち続けていました」「そうね」それだけでピンと来た。以前私も思った事。だがここで彼女の話を遮るのも無粋だ。それに、これから彼女が述べるであろう持論に説得されて...
思いのたけを、全力で肘へ01
- 2008/03/29
- 23:01
行き慣れた喫茶店のドアを開けると、比較的目に付きやすい席に彼女はいた。お待たせしたかしら、と声をかけながら向かいの席に着く。ストローの刺さった彼女のアイスティーの氷は半分くらいが溶けていた。いえ、と答えながら彼女は読んでいたハードカバーの本をぱた、と閉じた。カバーがかかっていて中身は知る由も無い。――――良かったら百花屋でお茶でも如何ですか?誘われた時、顔には出さなかったが心の中であら、と思った。彼女...